LUXURY&PRECISION (楽彼 L&P)

新ラインナップE7 4497を開発者に聞く

ブランドについて

ブランドロゴや製品画像

LUXURY&PRECISION(楽彼)は、音楽の深みを追求し、聴く者に最上級のオーディオ体験を提供することを使命とするブランドです。このブランドは、AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)のチップ開発に携わったエンジニアや「COLORFLY C4」の開発者たちによって、2014年に中国で創立されました。「精密機器グレードの性能」と「美しい音色と質感の追求」をポリシーの核とし、エンジニアリングの卓越性、厳密な製造プロセス、精細な音響調整、そして選りすぐられた素材の使用を通じて、単なる音を再生する装置を超越します。同社は、音楽本来の魅力を最大限に引き出し、聴く者に深い感動を与える「音楽に対する真の敬意」を体現したオーディオ製品を開発しています。

新ラインナップEシリーズについて

2024年8月17日に販売開始されるLUXURY&PRECISIONの新世代DAP「E7 4497PREMIUM/STANDARD」が最初のEシリーズです。現在発売中のラインナップは主に、小型なDACやアクセサリーのWシリーズ、革新性とポータブル性を重視したPシリーズ、コストを考慮せず利便性などよりも音質を最優先する、音の楽しみを究極的に追及するフラッグシップ中のフラッグシップであるLPシリーズがあります。
今回追加されたEシリーズのコンセプトは、将来的な新技術や複雑な仕組みに対し、音質と共に優れた対応性のある製品の実現です。

シリーズ名の由来

「E」が選ばれた理由はECONOMY(経済性)や、EXCHANGE(交換)の意味を内包しているからです。EXCHANGEの交換という言葉には、ハードウェアとしての意味合いだけでなく技術経験のアップデートを意味する「古い意見と新しい意見の交換」という相互的な関係も含んでいます。フラッグシップ級の音質を持続的に提供しながらも、交換により低コストで優れた音質への対応を指針としています。

E7 4497の開発背景

ΔΣデコードチップを使用したポータブルプレーヤーの中で最高の音質を実現した製品の開発をしたいという目的がありました。AKMのチップはこれまでLP5やL5Pro、L6にも採用し高い能力を発揮してきたましたが、AK4497チップは、AKMのフラッグシップチップの中で最もバランスが取れており、聴感も優れ、電力消費が少ないことなどポータブル機器との相性が最適でした。そこで、E7の最初のモジュールとしてAK4497を採用しました。

自社だからできる徹底した開発

1. オペレーティングシステムの革新

E7は、これまでのシリーズに搭載していたオペレーティングシステムと異なり、当社が最新かつ独自に開発したオペレーティングシステムを搭載しています。このシステムは、可能な限り小型で軽量に設計されており、E7のデジタルダイヤル部分で使用される低周波、高効率、低干渉、低面積のデジタル回路を最大限に活用しています。これにより、音質に関連するデコードおよび増幅回路に既存システムよりも多くの電力と回路面積を確保することができます。音質とシステム操作の両立を図るために、コードと機能設計は自社で精力的に取り組みました。Androidの大規模で成熟した既存のコードを使用することができないためです。新システムの開発と維持は当初は困難でしたが、過去10年間にわたり継続的にアップグレードを続けてきた他シリーズに搭載しているシステムと同様に、この新しいシステムも磨き上げ続け、Androidプレーヤーではないにもかかわらず、可能な限りAndroidプレーヤーの便利な操作性と機能を実現するよう努めました。これにより、ユーザーに優れた操作体験を提供しつつ、音質の向上を図ることができました。

2. AK4497 DACチップの秘めたる力

AK4497 DACチップは、ポータブルプレーヤーの開発において理想的な選択肢でしたが、その潜在能力を完全に引き出すことは極めて困難でした。実際、多くの時間と労力を費やすことになりました。特に困難だったのは、チップのばらつきの大きさです。データシート上のTHD+Nのティピカル値は-116dBですが、最低値は-108dBにまで下振れすることがあります。チップのTHD+N性能には最大で8dBの差があり、入手ロットごとにそのばらつきが異なるため、最適なチップの選定が非常に難しくなりました。特に、PREMIUMモデルでは-120dBを目標としているため、性能の優れたチップ同士を選び抜いたとしても、さらに個々のばらつきを精密にマッチングする作業が必要となり、この工程は非常に困難を極めました。もう一つは、アナログ部分の電源消費の高さでした。多重安定化フィルタを使用するため、アナログ部分の電力消費が非常に高くなります。そのため、E7のデジタル部分の設計を見直し、電力消費を削減し、アナログ部分により多くの電力を割り当てる必要がありました。AK4497 DACチップは電圧ノイズに非常に敏感であり、システムの電源設計に極めて慎重さが求められます。このような設計の見直しにより、製品のバッテリー寿命を確保しつつ、チップの潜在能力を最大限に引き出すことができました。

E7 4497の特徴について

『LP Tune』は非常にユニークなシステムとなっています。3種のチューニングモードは、DACチップとFPGAチップの共同開発に基づいており、EQとは再現性、聴感の差異、原理が完全に異なります。ユーザーはそれぞれ好きなようにそれらを組み合わせ魅力を最大化することができます。

『LPFオペアンプ電圧調整機能』についてはこれまでにないアプローチとなるきっかけがありました。それはとても興味深い事です。開発中にダイナミックドライバーや、バランスド・アーマチュアなど各種ドライバーがLPFオペアンプの電圧に対して異なる感度を持つことがわかりました。複数種のドライバーを搭載するハイブリッドやトライブリッドも同様です。ユーザーの様々なイヤホンに対し、固定電圧では「このイヤホンでは良いが、あのイヤホンではダメだ」という現象が起こる可能性があります。そこで、E7は広範囲で0.1V刻みの細かい電圧調整ができるように設計し、調整と試聴を通じて様々なイヤホンの特性を最適に引き出すことができるようにしました。

※STANDARDは非搭載

E7 4497の製品画像

モジュール交換機構はオーディオファンが製品を購入し、運用、メンテナンス、アップグレードするための総保有コスト(TCO)を削減します。将来的なアップグレードは、交換可能なモジュールを購入するだけで済むため、大きな再投資を削減し、少ないコストで異なるフラッグシップサウンドを楽しむことができるのもEシリーズの大きな特徴の一つです。将来的に交換可能なモジュールに異なる付属品がつくため、E7 4497のパッケージと付属品は最小限に抑えました。

WiFiの搭載やストリーミング音楽再生についての考え

E7 4497にWiFiを搭載しなかったのは、WiFiの消費電力が高く、ノイズと干渉が大きいため、音質が劣化するからです。音質を追求する機器にとってはデメリットが大きいため、超低消費電力と低干渉のBluetoothを選びました。大容量プロトコルスタックと低ジッタークロックを備えたBluetoothを搭載しましたが、システムコードと音質の最適化に多くの時間を費やしました。音質を追求しながらストリーミングの利便性を楽しむユーザーはBluetoothを利用してみてください。

外観へのこだわり

E7 4497は、ポケットに快適に収まるよう設計されています。外装色は深い緑と黒が絶妙に調和した洗練された色合いで、重量は300グラムと比較的軽量かつコンパクトに抑えられています。しかし、当社のポリシーに基づき、解像度とアンプチップの能力を最大限に引き出すため、また将来的に複雑なDACチップを搭載する可能性を見据えて、アナログ回路の面積を十分に確保した結果、ポータブル性を重視したP6シリーズよりも大きく、やや重くなっています。

製品の外観画像

最後に

LUXURY&PRECISIONの製品開発の原則は、音質を最優先にすることです。他の要求と競合する場合でも、常に音質を優先します。この姿勢と研鑽が採用するDACチップの仕様書に記載されたティピカル値の到達だけに終わらず、それを上回る出力性能を発揮する製品開発に繋がっています。これこそDACの音質能力を最大限に引き出している証となります。音響の分野では最も影響を与えるアナログ回路に特に注力しており、その能力に自信を持っています。例えば世界標準のアナライザに匹敵する精度と範囲を持つ測定機器をオリジナルで開発保有し、すべての音楽プレーヤーの出荷調整をこの自社開発のテスト機器で行い、クリアした高品質なものを提供しています。

私たちの新ラインナップE7 4497は音楽を聴く喜びを持つ方々に、深い感動を提供してくれる製品だと信じています。

《製品ページ》こちらから製品の詳細確認ができます

※編集者説明あり

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